学校づくりのコーナーを始めましょう。
“C” が 鍵になりそうです。
佐藤学さんは、「『学びの共同体』は、学校改革のヴィジョンであり哲学である。」と書いています。学校づくりは、ヴィジョンを共有することからはじまります。その共有が足場となり、土台となります。
お隣の“学びづくり”のコーナーは、【足場板】(略称“SB”)と題しています。こちら“学校づくり”は、共有の土台から立ち上がり、ヴィジョンを眼差しつつ歩み、時にはジャンプする、という意味で【足場台】(略称“CB”)と題してみたいと思います。
なぜ “C” なのか。
一つは、もちろん学びの共同体の “Community”
二つめは、ヴィジョンの共有の “Common” あるいは “Communion”
三つめは、学びと対になる “Care”
四つめは、これが最も筆者をワクワク魅了するのですが、“Constellation” (「星座」あるいは「布置」)です。
筆者は、S市教育研修・支援センターの非常勤スタッフとして2年間勤務しました。
隣の席に座っていたH先生は特別支援のご専門です。広い視野と先見性を有するH先生は、インクルージョンについてよくこう言っていました。
「インクルージョンは北極星のようなものだと言った人がいます。私もそう思っています。手が届かないけれど、常にそれを眼差しつつ、そこに向かって歩もうとするもの。あるいは私たちに方向を指し示し続ける存在・・・、と。」
いつかはインクルージョンに手が届いてほしい、届かせたいとも思いますが、そうです。“ヴィジョン”の原義は視覚的な像であり、遠くに見える展望や見通しという意味に用いられます。それはまさに「北極星」のようなものでしょう。
「学びの共同体」と「インクルージョン」は重なっています。同一ではありませんが、とても近くにあります。「ケア」と「学びの共同体」も同一のものではありませんが、近くにあるでしょう。環境を通した保育や幼児の主体的な“遊び”と“育ち”も近くにあるでしょう。それらは「北極星」という一つの星ではありませんが、近くにありつつ、関係性のもとに一つの「形」つまり「布置」をなしていると言えるでしょう。そう、夜空で言えば「星座」を形づくっています。学びの共同体のヴィジョンを見据えて歩もうとする私たちには、そのような大切なことがらがつながる布置 “Constellation”が見えて来ますし、そこから眼を離すことはできません。
“学校づくり”という時、学校の中にも布置“Constellation”があります。
先日、N町N中学校に初めて伺いました。
校長先生のお話を伺うと、初任、2年目、3年目の先生方が多く、中堅は1名、ベテランが数名という年齢構成でした。ひょっとして二極化する年齢構成が何か難しさをもたらしている面もあるのだろうかと思いながら教室を回ると、それぞれの先生がそれぞれにチャレンジしています。研究授業の後のグループ協議とその後のお一人おひとりの発言、そしてその声を聴くと、確かに年齢構成の差はありますが、先生方が織りなす布置のようなものが見えてきた気がしました。そしてそれは、いくつかの課題があったとしても大きな可能性を持つ布置であり、先生方が一つの星座を織りなすように校内でつながり、学び合う教室と職員室をつくっていける布置のように思えてきました。学校づくりでは、一つひとつの星(教職員)がどのような布置(星座)を織り成しているのか、行けるのかが大切な点になるのだと学びました。
教室の中の子どもたち、グループの中の子どもたちもそれぞれの布置を織り成していると言うことができるでしょう。
私たちは、誰も一人ではありません。それぞれの場所が織りなす布置の中に生きていますし、わたしたちが歩もうとする時、遠くにある像(“ヴィジョン”)をともに眼差し、ともに立つ土台を踏みしめ、歩み、挑戦しジャンプすることが、ともに学校をつくっていくことになるでしょう。
“21世紀という布置”の中で、どのような学びをつくり、学校をつくるのか、ともにそれを眼差し、見通して歩んで行きましょう。
そのような意味で、このコーナーは【足場台】(略称“CB”)と名づけて始めたいと思います。
よろしくお願いします。